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第8回文学フリマ読書感想2

「掌編集」牟礼鯨(西瓜鯨油社

原稿用紙数枚程度の掌編がなんと50篇以上も入ってる。そのぎっちり感が文庫サイズと調和している。それでも題材のかぶってる作品はなかったと思うので、相当なもんだと思う。まあ、僕は読んだ端からものを忘れていく類の人間だが。

全作品が、淫靡で抑圧的な宗教と強権の帝国が支配する洋風異世界、という世界観で統一されている。でも、異世界関係ないじゃん、現代舞台でいけるじゃんっていう主題の話もままある。それでもあえて統一した所は果断だと思う。

<「どこかで読んだかもしれない」と読む人に思わせる短編を書いています。>
とサークル紹介であったけど、まあ、そう言われればそうだが、それで、良いんじゃないかな、と思わせるものはある。なんだろう、特に文章が絢爛、とかではなく、どちらかといえば無駄のない感じ。

猟奇的な内容(ただ少女が絞首刑になるだけの話とか、あと畸形の話とか目立つ)の話がやや多めだが、急に文体も内容もさわやかめな(或いはそう見える)作品が出てきたりもするので、なんかこう大食いで言う「味変」みたいな効果を受ける。さっきまでケチャップで食ってたけど、醤油で食う、みたいな。

都合上一気読みしたが、一日3篇とか、ちょっとずつ寝る前に読む、とかそういう読み方がイケてるかも。寝付き悪くなる人いるかもしれないけど、僕はイケるよ。

とにかく50篇以上も一冊に収めてるので、次があるのか、という不安はある。まだ世界図書館に在庫があるなら、是非趣向を変えて次回も参加して欲しい。
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by lol_5 | 2009-05-15 19:51 | 文学フリマ
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