<< 第8回文学フリマの読書感想4 第8回文学フリマ読書感想2 >>

第8回文学フリマ読書感想3

「ピーピング・ダイアリー」佐藤(佐藤

装丁はメインのモチーフとなる「青い手帳」を模したもの。個人的にひらがなのフォントがほそっぽくて好み。これただの明朝かなあ。

タイトルの通り、ダイアリーをピーピングする話だが、拾った手帳を読んでその手帳の持ち主を想像して楽しんでる主人公のさまを読者が読んで楽しむっていう構造が、二重の背徳感があってイイ。
僕なんかはもうこの場面だけ延々つづいても楽しめる。
たまに三人称の語りと主人公が掛け合うような描写があるけど、メタフィクションなわけではないようで、ちょっと不思議。こういう書き方ってあんまり僕知らないけど、他でもあるのかなあ。

結構サスペンスな展開をするのだが、いろんな謎を残したまま、何だか唐突に話がまとまって終わってしまう。例えるなら、少年ジャンプで本格ミステリをやろうとして、10週くらいかけてやっと殺人が起こるんだけど、打ち切りになって11週目で犯人見つけて伏線とかほとんどほっぽったままおわるって感じ。
ただ、ジャンプの打ち切りになるようなのとは違って、唐突な展開する前までは、主人公が手帳に縛られていく様子とかはそれなりに面白い。

もう50ページくらい増やして、主人公とヒロインの関係とか手帳の謎とかを深め、さらに日常パートと手帳パートを充分に絡めていったほうがより良いような気がする。

あと、個人的には、フリーペーパーに乗ってた掌編とか、本作のあとがきに見られる、ポカンとしたヒューモアも作者の人柄が感じられて好きです。
[PR]
by lol_5 | 2009-05-16 10:33 | 文学フリマ
<< 第8回文学フリマの読書感想4 第8回文学フリマ読書感想2 >>