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戯曲「ソネザキシンジュウ」導入

辻演劇「ソネザキシンジュウ」
屋代秀樹

登場人物
おとこ
おんな

 舞台は往来であり、官憲などの妨害の及びにくいところならば、どこでも良い。電信柱、街路樹、あるいは街灯などにおんながしばりつけてある(柱のなければ椅子などで代用する)。おんなの衣装はできれば和装などがよい。抱きしめるようにまきついたなわが、着物のうちから、おんなのしなやかな肢体を透かしている。なわの及ばぬところ、衣の端から、柔らかな刃のようなすあしがほの見える(ただし、上記の風情が表現できるならば、おんなはどんな衣装を選んでもよい)。おんなは目を閉じ、うつむいていて、往来からその容貌をうかがうことは難しい。
おとこがおんなのあしもと、おんなのあしの甲に、そのほおがふれるようにして、あおむけにだらしなく倒れている。おとこの衣装は何でも良い。おとこの手のとどくところにラジオプレーヤーがおいてある。自然と、ラジオプレーヤーが作動する。公共放送のアナウンサーのような、艶やかな男の声で、ニュースのようなものが流れはじめる。
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by lol_5 | 2009-11-30 21:19 | LOLバックナンバー
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