<< 第9回文学フリマ読書感想その5 第9回文学フリマ読書感想その3 >>

第9回文学フリマ読書感想その4

「M@DAGE vol.2」(M@DAGE

日高稔「ゲームの規則」
地下室のような場所で、<僕>と<彼女>はコンソールを見守っている。このコンソールは異常が起きた場合は二人でなければ処理できない仕組みになっていて、<僕>と<彼女>はお互いのことを(知りたいと思いながらも)何も知らず、お互いを監視している。
基本的に、緊張感と諦念の入り混じった醒めた文体だが、ところどころに柔らかな表現も顔をのぞかせて、ある種のやさしさが感じられる。

幸田龍樹「空から発つグライダー(デモヴァージョン)」
「デモ」ということなのか話がほとんど動かないんであらすじはよう分からん。しかし、独特かつ多彩なダイアローグで構成されていて、福永信を髣髴させる。でも福永さんよりも暢気でハッピーな感じ。最後までこの調子で構成しきれば怪作の予感はする。

麹弘人「錆の海」
あらすじだけいってしまうとエンジニアが夜中に同僚に呼び出されて、ようわからん機械を修理しに行くってだけなんだが、簡明な文章で、夜風の気持ちいいような現実感を生み出してるのはかなり好み。ラストの機械が出てくるシーンでふっと幻想的なものを垣間見せるのも好み。

でも全作品ともに短いです。無料じゃなくていいから、三者ともまとまったものを読みたい。
[PR]
by lol_5 | 2009-12-26 13:38 | 文学フリマ
<< 第9回文学フリマ読書感想その5 第9回文学フリマ読書感想その3 >>