<< 第10回文学フリマ読書感想(3) 第10回文学フリマ読書感想(1) >>

第10回文学フリマ読書感想(2)

「猿入り娘」平方二寸

表題作のほかに同じ作者の短編が6編。

収録作それぞれに味があってどれも好きだけど、表題作の妙に半端な野生と、「すっぽんを割る」の、ローテンションでサイキックな子ども小説が特におもしろかった。

なんだろうなあ、この雰囲気と思って、ああ、悪夢だな、と。
お化けが襲ってくる、みたいな恐怖ではない(出てくるのもあるけど)、不条理、倦怠、憂鬱、死。
夢だって気づいてる類の、傍観的な、それでも自分自身であるという漠然とした実感。

他にフリーペーパー「全家畜」もいただいたが、「日本近代自然主義文学」というコーナーがあって、自然主義作家の作品を一作ずつ似顔絵つきで紹介しているのにショック受けた。正宗白鳥が吹き出しで「逆に何で死なないのか訊きたいわ」って。言いそう。
ベタの濃いマンガも、途中で投げやりになってくるエッセイも好みです。
[PR]
by lol_5 | 2010-06-14 20:43 | 文学フリマ
<< 第10回文学フリマ読書感想(3) 第10回文学フリマ読書感想(1) >>