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第11回文学フリマ読書感想5

茂木万穂「ぼくたちは喉の底で笑う」(若木文学2010)

深夜テレビ好きな、いじめられっ子の男子小学生と、〈ぐしゃりと笑〉う、クラスで孤立している女の子の、不器用で不細工な交流。
鬱屈した子どもの日常を淡々と描いているけど、不思議と嫌な感じはしない。未来が想像されるからだろうかと思った。それは希望とかそんなんじゃなく、ただの時間の流れとしての、今より先の世界。
綺麗になんかならなくたって、夢なんかみせなくたって、わかりあったりなんかしなくなったって、よどみの中から抜け出せなくたって、ひとは救われるんだろうと、読んでてなんとなく感じた。

若木文学は僕の出身サークルの冊子であるが、約10年かかわってきて、うまいとかそんなんじゃなく、この人は「書くべきこと」を書いてるな、と菊地さん(現在LOL所属ですが)以来に思った。

他の「若木文学2010」所収のうちでは、野木健二郎「紅茶の煙草」、河野海月「或る犬の話」を面白くよんだ。
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by lol_5 | 2011-02-21 00:28 | 文学フリマ
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