<   2010年 06月 ( 3 )   > この月の画像一覧

第10回文学フリマ読書感想(2)

「猿入り娘」平方二寸

表題作のほかに同じ作者の短編が6編。

収録作それぞれに味があってどれも好きだけど、表題作の妙に半端な野生と、「すっぽんを割る」の、ローテンションでサイキックな子ども小説が特におもしろかった。

なんだろうなあ、この雰囲気と思って、ああ、悪夢だな、と。
お化けが襲ってくる、みたいな恐怖ではない(出てくるのもあるけど)、不条理、倦怠、憂鬱、死。
夢だって気づいてる類の、傍観的な、それでも自分自身であるという漠然とした実感。

他にフリーペーパー「全家畜」もいただいたが、「日本近代自然主義文学」というコーナーがあって、自然主義作家の作品を一作ずつ似顔絵つきで紹介しているのにショック受けた。正宗白鳥が吹き出しで「逆に何で死なないのか訊きたいわ」って。言いそう。
ベタの濃いマンガも、途中で投げやりになってくるエッセイも好みです。
[PR]
by lol_5 | 2010-06-14 20:43 | 文学フリマ

第10回文学フリマ読書感想(1)

「実験 No.8」(実験倶楽部

アイヌケンネル「明日に向かって書け」

web社会を代表するような、浮遊した固有名詞を撒き散らしながら、コンビニ強盗を繰り返しつつ、「小説」から多摩川へ逃走を続けるサンダンス・キッドとブッチ・キャシディ。(以上あらすじ、比喩ではない)
ナンセンスに見えても割合筋道はしっかりしていて、嫌味がない。

高橋源一郎の影響明らかだが、やけに素直で愛らしい二人のギャングが、アホかと思えるくらい簡素な文体で、立ち止まらずにずかずか突き進んでいく。だもんで唐突な展開でもすんなり読み続けられる。
身内の作品だけど良かった。
[PR]
by lol_5 | 2010-06-03 21:51 | 文学フリマ

第10回文学フリマありがとうございました

LOL9号と11号、そこそこ捌けました。すでに感想などをアップしている先などもありまして、まことに恐縮です。
私の購入分、具体名は避けますが、

新規
12サークル
リピート
8サークル
身内(國學院大學文藝部関連)
2サークル

です。気になった作品は随時感想をアップしていきたいと思いますが、全部読み終わるまで1ヶ月以上かかるかと。

文学フリマ公認みたいな大交流会があったようですが、私は行きませんでした。あくまで作品を通じて交流したいなあと思うんで。人を見て作品を読みたくなることも絶対にあるんで結構なことだとは思うんですけどね。
私小説好きだし。
でも、まったく興味の無い作品書く人とかと人同士の交流に入っちゃうと、創作活動上の苦痛になる可能性があるなあとも思うんですよ。あえて無視する、ていうのがお互いにとって良い場合もあると思います。いがみ合ったり、一方を排除しようとしたり、逆に疎外感を勝手に感じて鬱屈したりするよりかはずっといいでしょう。
無理やりの「みんな仲良く」ではなくて、誰もが存在を脅かされないような文学フリマが理想かな、と思います。
[PR]
by lol_5 | 2010-06-01 23:38 | 文学フリマ